琢磨「チームの状況はとてもいい方向」
土曜日の予選後の“予言”のとおり、琢磨は素晴らしいスタートダッシュを決めた。「ルノーが乗り移ったみたいでした(笑)。ローンチコントロールのデータエンジニアが素晴らしい仕事をしてくれて、SAF1のレコードのスタートでした。1コーナーに行く前に、前に詰まってアクセルを抜かなければならいくらいでしたから、1コーナーまでは凄く楽しかったです」。
1コーナーのブレーキングでバリチェロを抜き、さらに混雑した集団の中でオーバーランしたフェラーリのマッサもしとめた。
「後ろにマッサがいるって、なんか変な感じでした(笑)。後ろから別のクルマが迫っていてバトルをしていたり、時々ミスするので離れるんですが、そこから追いついてくるのは猛烈に速かった。コーナー3つくらいで直後に着かれました。でも、タービュランス(乱れた空気)の関係で、1秒差くらいになると追いついて来れなくて、ずっと抑えられました」。
19番手からスタートして、1周目を終えた時点の順位は、15位。結局そのままの順位がリザルトに残った。決していい順位ではないが、内容的にはチームの力を出し切るいいレースだった。
しかし、第1スティントは苦しいレースだった。作戦を臨機応変に変えられるように10Kgほど余計に積んだ燃料のせいで、重い→滑る→タイヤの表面は温まるが芯まで温まらない、という循環になり、タイヤ温度がワーキングレンジを外れてしまう結果になった。だが、第2スティントからはいい感触の走りができ、さらに、3スティント目は「突然、まるで違うクルマになったよう」だった。
「去年のブラジルGPの時みたいでした。ボクだけ去年のタイヤをもらっちゃったみたい(笑)。ブレーキを踏めば止まるし、ステアリングを切ればノーズは入るし。プッシュすればしただけタイムに跳ね返ってきて、凄く楽しめました。チームもラジオで、“今コース上で3番手だとか、2番手になった、トップだ、というふうに知らせてくれました。リヤのスタビリティ(安定性)が突如上がって、凄く楽しかったです」。
事実、レース中のファステストラップは10番手、セクタータイムは、マッサ、コバライネン、ウェバー、シューマッハよりも速い7番手だった。
「順位は15位でしたが、チームの状況はとてもいい方向に行きましたね。エンジニアも、良かったな!!と喜んでくれて、チームのモチベーションが上がって、次のトルコまでの休みをいい感じで過ごせます。今回良かったことを細かく分析して、この勢いをトルコに持ち込んで、日本GPに続く後半戦に弾みをつけたいです」。
琢磨はすっきりした表情だった。








